みなさんこんにちは、ごきげんビジネス出版です
編集者になって、まだまだ日が浅く勉強の日々です。
今日も今日とて、おすすめしたいヒット作をご紹介します。
挫折を経て、猫は丸くなった。: 書き出し小説名作集
天久 聖一 (編集)
新潮社 (2016/6/30)
■紙版
■Kindle版
以前TV番組「アメトーーク/読書芸人」回にて紹介され、
人気の出た作品です。
オンエアの翌日にAmazonで買おうとしたら品切れになっていて、TVのパワーを体感した作品でもあります……。
書かれているのは架空の物語の「冒頭」のみ。
思わず吹き出してしまう作品や、
切なくなる作品。
416本の気になる冒頭が、読み手の妄想力を掻き立ててくれます。
・ユニクロに行くためだけに着る、ユニクロではない服を用意している。
・全員かかってこいよ。鍵を掛けたアカウントでつぶやいた。
・もう米のことなどどうでもいい平八郎であった。
この作品をご紹介したかったのは、
「物語作品を書く上で難しいこと3つ」について考えていたからです。
①書き上げること
(これが一番むずかしい……。)
②冒頭の掴み
③書かないものを決めること
この中の②について、本書はヒントを与えてくれるのではないかと思いました。
自身が「この冒頭の続き気になる!」と思ったものが
何故気になるのか、どんな要素が入っているか、
分析してみると作品つくりに役立てることができそうです。
ユニクロに行くためだけに着る、ユニクロではない服を用意している。
→あるある感。
くすりと笑える矛盾。
日常の中にある矛盾を予感させる書き出し。
全員かかってこいよ。鍵を掛けたアカウントでつぶやいた。
→強気な小物感が笑いを誘う。
一文で本人の性格を表現できている。
バトル感。
何故鍵アカウントにしたのか?気になる。
もう米のことなどどうでもいい平八郎であった。
→大塩平八郎とかかなくても、「米」「平八郎」で
「大塩平八郎の乱」を連想する。
何があった?!と思わせることに成功している。
など。
物語作品を執筆している方は、
自分なりにでよいので、分析して作品作りに取り入れてみると、面白いですよ
もちろん、執筆していない方にとっても、
ちょっとした時間にも読める、楽しい本です。
気になった方は是非読んでみて下さい
それでは、今日もごきげんな一日を(´∀`)